高血圧

高血圧とは、血圧が基準値よりも慢性的に高い状態のことです。血圧が「上が140」「下が90」を超えると高血圧とされ、血管にかかる負担が大きくなり、心臓や脳の病気につながる可能性があります。原因は食生活や運動不足、ストレス、遺伝などさまざまですが、日頃の生活習慣を見直すことが予防と改善の第一歩です。当院では、薬に頼る前の生活アドバイスもしっかり行っていますので、お気軽にご相談ください。

日本の高血圧患者数

日本では40-74歳で男性60%・女性41%、75歳以上では男性74%・女性77%と高い有病率を認めております。そのうち正しいコントロールが行われている方は30%以下と非常に少ない状況です。

高血圧の治療必要性

脳血管障害(脳梗塞・脳出血)
心血管障害(心筋梗塞・狭心症)
慢性腎臓病
認知症

血圧は非常に高くなると頭痛・頭の重い感じ・ふらつき・吐き気などの症状が出ますが、高血圧を満たしていてもなかなか症状が出ないことが多く、高血圧の方の33%が自身の高血圧を認識されていないというデータが示されています。
無治療または不適切な血圧コントロールでいることで脳出血・脳梗塞・心筋梗塞・慢性腎臓病・血管性認知症などのリスクが年々上昇しますので正しい治療介入が必要です。
血圧コントロールを行うことで脳血管障害を40%、心血管障害を20%減少することが証明されております。

高血圧の分類

診察室血圧140/90以上、自宅血圧135/85以上が高血圧の診断となります。
血圧が高くなるほど合併症のリスクが上がっていきます。

分類

診察室高血圧

家庭血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

正常血圧

<120

<80

<115

<75

正常高値血圧

120-129

<80

115-124

<75

高値血圧

130-139

80-89

125-134

75-84

Ⅰ度高血圧

140-159

90-99

135-144

85-89

Ⅱ度高血圧

160-179

100-109

145-159

90-99

Ⅲ度高血圧

>180

>110

>160

>100

診察室血圧140/90以上、自宅血圧135/85以上が高血圧の診断となります。
血圧が高くなるほど合併症のリスクが上がっていきます。

目標血圧

自宅血圧

75歳未満 125/75mmHg未満
75歳以上 135/85mmHg未満
糖尿病患者 125/75mmHg未満
慢性腎臓病患者 125/75mmHg未満
脳血管障害患者 125/75mmHg未満
心血管障害患者 125/75mmHg未満

年齢や治療されている病気で目標血圧は異なりますので、合わせて運動・食事指導、内服薬調整を行なっていきます。

治療

非薬物療法

食事療法
日常的な運動
節酒
禁煙

・食事療法
1日6-8g以下を目標とした減塩、野菜・果物を積極的に摂取する

・日常的な運動・適正体重の維持(BMI<25)
ウォーキングやランニングなど1日30分程度の有酸素運動を継続する
BMI<25を維持できるような食事習慣・運動の継続 ・節酒
1日に20g以上のアルコール摂取をしない

薬物療法

内服薬での降圧療法

アルコール量の目安

種類

アルコール度数

アルコール量

ビール
(中瓶1本500ml)
5% 20g
清酒
(1合180ml)
15% 22g
ウイスキー・ブランデー
(ダブル60ml)
43% 20g
焼酎
(1合180ml)
35% 50g
ワイン
(1杯120ml)
35% 12g